コラム 薔薇影 秋山 基夫
(毎月2回更新)

第33回 第12回中四国詩人会に出る

 10月13日、岡山市の大会に出た。この大会は中四国各県持ち回りだから、岡山では5年前の倉敷市以来だ。何人かの知友に会えてよかった。この種の会に出る喜びはこれが最も大きいだろう。
 岡隆夫氏の「英米現代詩とわたしの詩論」が当日メインの講演で、これはきわめて立派な内容だった。この種の詩の会での講演は、わたしの持論では、大詩人についてのお話か、大詩人によるお話か、その二つに限るが、岡氏の講演はこれらの条件を十分に満たすもので、おおいに啓発された。英米の詩人たちの詩論を系統だって追いつつわが国の場合をふりかえりつつ、岡氏自身の詩論を披歴されたが、それは詩の本質論に根差す素晴らしものだった。
 第12回の中四国詩人賞は、河邉由紀恵氏の『桃の湯』(思潮社2011年刊)が受賞した。近ごろまれな高水準の詩集だと思っていたから、この受賞はうれしかった。

  

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